Et★Toiのフランス的日々[L'art de Vivre]

フランスの映画、音楽等のエッセイ/植物を主体とした造形作品・商品企画、及びフランスの伝統色

さよならベルモンド[2021.9.6]

 もう昨年のことになるが、フランス映画等も好きなInstagramのフォロー中の皆様のゴダールの『勝手にしやがれ』のJean Paul Belmondoの写真の投稿があり、9月6日に、同氏が逝去した事を知った。
 フランス映画特有のChic, EspritやCoquette, Ennuiを人格化したのが、まさにBelmondoと4年前に亡くなったJeanne Moreau。好みはあるだろうけど、2名共、好きな俳優としてリストアップする以前に、世界で共通のレジェンド。

 是非みたいと思って最近いくつかメディアを買った。悲喜こもごもの内容の『ダンケルク』、ドヌーブとの共演でトリュフォー監督のちょっと複雑な『暗くなる迄この恋を』を視聴。
 これまで視聴した映画では、ややマイナーで地味ながら、私は、この2つの映画に、哀愁やシンプルな映像美を感じる。
■『雨のしのび逢い(Moderato Cantabile)』(1960年)
原作は好きなDurasの同名小説。Jeanneとの共演も贅沢。タイトル名は主人公アンヌの息子が、やる気のないピアノレッスンで弾かされる、古典派のAnton Diabelliの曲。
■『冬の猿(Un singe en hiver)』(1962年)
 ノルマンディー上陸(Dデイ)前に、娘を連れにきた青年と初老の宿屋主人(Jean Gabin)とのふれあいを描いたヒューマンドラマ。酔って踊るシーン、花火を打ち上げるシーン等が光彩を放ち、時間がゆっくり流れる様子が映像として美しい。映画のタイトルは、最後の列車でのシーンで、宿屋主人の“中国で冬に見かける迷い猿”の説明から・・。

★★本日迄に、ベルモンドの映画を沢山見た。E.モリコーネの音楽で有名な『華麗なる大泥棒(Le Casse)』を初めに、『追悼のメロディ(Le corps de mon ennemi)』、『女は女である(Une femme est une femme)』や、故ドヌーブのお姉さんF.ドルレヤックと共演した『リオの男(L'Homme de Rio)』等が興味深かった。詳細は、また別の機会に投稿してみたい。